「HPをリニューアルしたい」そう言い出したのは、弟からでした。
去年の3月、医師からの余命宣告を、父と一緒に聞いた弟は、最悪の状況もずっと覚悟しながら、日々いろんなことを考え、準備していたんだと思います。
あの時のことを想い出すと、今でも少し胸が痛くなります。
当時私と弟には、少し温度差がありました。
それは、父から私が聞いていた病状は、事実とは少し違っていたからです。
少しだけ、希望を持たせるように。
本当は、聞かされていたよりもずっと、はるかに、悪く深刻だったことを、亡くなってしばらく経ってから知りました。
父はその事実を、私に微塵も感じさせることなく、1度は癌を半分以下に減らし、本当に希望の光を見せてくれました。本当に、ほんとうにすごかったです。
その背中を見ながら、私たちはそれぞれに、これからの会社と自分自身のことを、たくさん考えました。
父には闘病に専念して欲しかったので、HPのことは、ある程度形になってきたら、話を聞いてもらおう、そう考えていました。
夏が終わる頃、父の容態がゆっくりゆっくり悪くなっていき、冬がやって来た時は、ちゃんと話をする事が出来ない日が多くなりました。
HPの制作は全て一旦ストップ。
容態が落ち着いてから、、、そうおもい、父のスペースをあけてもらって、待ってもらうことに。
でも結局父に話せる日はやってきませんでした。。。
「お、ええやん♪」
そう言ってもらえる日がいつか必ずくると想って、待ってたのに、それはもう、叶わなくなってしまった…。
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父が亡くなってすぐ、デザイナーの細尾さんに、「父だけのページを今から別で作って欲しいんです」と連絡をしました。
急な依頼にもかかわらず、「わかりました」とすぐ返事をくれました。
本当にこの人にお願いして良かったと、心の底から想った瞬間でした。