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Dan Architecture Consultant
父は、知らない。

父は、知らない。

2020.05.06 (wed)

Magazine

「HPをリニューアルしたい」そう言い出したのは、弟からでした。

去年の3月、医師からの余命宣告を、父と一緒に聞いた弟は、最悪の状況もずっと覚悟しながら、日々いろんなことを考え、準備していたんだと思います。

あの時のことを想い出すと、今でも少し胸が痛くなります。

当時私と弟には、少し温度差がありました。

それは、父から私が聞いていた病状は、事実とは少し違っていたからです。
少しだけ、希望を持たせるように。

本当は、聞かされていたよりもずっと、はるかに、悪く深刻だったことを、亡くなってしばらく経ってから知りました。

父はその事実を、私に微塵も感じさせることなく、1度は癌を半分以下に減らし、本当に希望の光を見せてくれました。本当に、ほんとうにすごかったです。

その背中を見ながら、私たちはそれぞれに、これからの会社と自分自身のことを、たくさん考えました。

父には闘病に専念して欲しかったので、HPのことは、ある程度形になってきたら、話を聞いてもらおう、そう考えていました。

夏が終わる頃、父の容態がゆっくりゆっくり悪くなっていき、冬がやって来た時は、ちゃんと話をする事が出来ない日が多くなりました。

HPの制作は全て一旦ストップ。

容態が落ち着いてから、、、そうおもい、父のスペースをあけてもらって、待ってもらうことに。

でも結局父に話せる日はやってきませんでした。。。

「お、ええやん♪」

そう言ってもらえる日がいつか必ずくると想って、待ってたのに、それはもう、叶わなくなってしまった…。



父が亡くなってすぐ、デザイナーの細尾さんに、「父だけのページを今から別で作って欲しいんです」と連絡をしました。

急な依頼にもかかわらず、「わかりました」とすぐ返事をくれました。
本当にこの人にお願いして良かったと、心の底から想った瞬間でした。

Author

堺 恵子

堺 恵子

元服の販売員から転職。”お客様の目線に一番近い人である”ことを強みに「私にしかできないこと」を探し、お客様の日常を少しでも豊かにするお手伝いができればと色々チャレンジしています。

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